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純愛時代

純愛時代

人気ランキング : 70,517位位
定価 : ¥ 777
販売元 : 岩波書店
発売日 : 2000-09

価格 商品名
¥ 777 純愛時代
現代の価値観のねじれを解く

 自分自身の立ち位置があいまいで、とにかく主観の中で生み出した価値観に沿って愛を貫こうとする現代の若者。彼らの愛を「純愛」として著者独特の考察を加える。
 純粋ではあるが、屈折している彼らの心の中はいったいどうなっているのか。本書では主に「昔風の愛」と現代における「純愛」を比較対照しながら個々の事例を書き上げている。
 この著者のほかの作品にも通じることだが、彼の考察過程を読み進めていくうちに、読者も自らの生活を思い浮かべながら一緒に考えている、というような感じがある。これは内容の枝葉末節、解釈に読者それぞれ違いはあるにせよ、とても重要なことではないか?
 結局は答えは自分が探すものだし、本はそのきっかけに過ぎない。著者自身があとがきで言っているように、そういう読み方が一番適当なのだろうと、私自身は考えている。

グロテスクな「純愛」

本著を読み進めるにつれ、私は段々と首をかしげてしまいました。
タイトルの「純愛」とは程遠いグロテスクな恋哀ストーリーが列挙されていて、どこにも「純愛」らしきモノをみつけられなかったからです。
しかし、その疑問が頂点に達するまでには、すでに半分以上ページを読み終えていました。
特殊事例をサラッと一般化してみせる心理学のスーパーテクニック。
『純愛時代』は別の意味で考えさせられる一冊です。

「純愛」=「とびっきりの愛」?

「純愛」に憧れながら、平凡な暮らしを送っている現代の若者たち。
そのなかで、憧れの「純愛(とびっきりの愛)」に突き進み、現実のなかで傷つき心を病んだ若者6人の診察記。
読み始めた当初、「純愛」=「駆け引きや損得などを、一切考えない恋愛」だと勝手に解釈していたため、読んでいて、しこりの残る感があった。
あとがきによれば、「純愛」=「とびっきりの(ドラマチックな)愛」だと解釈してよさそう。
個人的には「とびっきりの(ドラマチックな)愛」を「純愛」と呼ぶことには違和感があるなぁ…。
あとがきに「若者たちは愛に心底憧れていながら、他方で、とことん愛に絶望している」とあるが、当を得た言葉であると思う。愛への憧れと絶望、そのはざまで揺れ動く私たちは、どのような『愛』の形を作り上げていくのだろうか。
診察の記録がメインとなっている本だが、あとがきが面白い分、著者の分析や考察をもう少し多く、そして深く読みたかった。

「純愛」してますか?してないなあ。

恋愛が原因で、精神の病にかかっていく人々。本書を「純愛時代」と題した著者のセンスはなかなかだと思う。
ここにでてくるのはいずれも「純粋な愛」の純粋さを追求するあまり、精神的な歯車が狂ってしまった人達である。こんな些細なことでおかしくなっていっちゃうなんて、融通がきかなすぎるんじゃない?と思うよ。確かに。けれども、一方で羨ましさを感じてしまう。陳腐な表現だけど、漫画に出てくるような恋愛なのです。

心ときめくタイトルそして問答

タイトルに心ときめかせながらこの本を購入したのですが、中身は愛に病む人々のすさまじい記録でした。「純愛」とはかくも主観的で脆いものなのかと僕は唸ってしまいながらも、この本に出てくる彼女ら彼らの苦悩は果たして「純愛」なのかと疑問を感じてしまいます。
この本を読んだあと、「純愛とはなんぞや?」と自問しました。そのとき「少なくとも自分の世界にのめりこんでしまうことではない」と自答しました。皆さんにとって純愛とはなんですか?

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